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令和5年度 保護者様質疑応答会の回答について②

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公開日 : 2023.11.08

令和5年度 保護者様質疑応答会の回答について②

質問② 就学後の放課後デイの利用について

(どんな事業所が良いか、選び方について)

小学生からの放課後デイの利用については、親御様の働き方とお子様の特性とのバランスをいかに取るかが重要になります。例えば、親御様の就労の事を考えると長時間の預かり、自宅までの送迎がある放課後デイが保護者にとっては使い勝手が良いものの、1年生~6年生の複数人を大部屋で預かるため、療育的な効果は個別で支援を行う事業所よりは低くなります。その逆も然りで、つみきで行っている個別の支援はお子様に手厚く支援ができる反面、1回あたりの時間が1時間程度、そして親御様に送迎の手間が発生する関係上、就労との折り合いをつける必要があるため、どちらも一長一短と言えます。

そのため、異学年の小集団の関わりの中で過ごすことができる、もしくは多様な他者との関わりの中でお子様の成長が見込める素養があれば預かり型の放課後デイでも十分に効果が見込めるかと思います。しかし、騒々しい環境や不特定多数の他者との関わりが苦手であったり、学習課題で取り組みや理解に大人の補助を必要とするようなお子様にとっては、個別支援等のゆっくり丁寧に関わってあげられる環境の方が望ましいです。特に上記の課題を持つお子様は、学校生活の中での失敗や挫折の経験も多く、いじめ被害や不登校等のリスクを抱えているため、ただ放課後デイに通う=状況や状態が改善される訳ではありません。お子様の特性に合った、特性を理解して支援してくれる放課後デイであることが必要なのです。

結論として、放課後デイ選びは親御様の就労とお子様の特性との兼ね合いになります。そこに放課後デイ自体の空き状況(通いたくても定員オーバーで通えない)等の課題も発生するため、非常に難しい問題となります。先ずご家庭で何を一番大事にしたいかを話し合い、優先順位をつけることが放課後デイ選びの第一歩になるかと思います。

 

質問③ 小学校のクラスで先生が一番困る子供の行動は何?

学級担任として一番困る行動は「担任の指示に従えない」事になります。これはお子様自身が各種学習活動やグループ行動に参加できなくて本人が困るのはもちろんなのですが、これを放置し、長引かせると学級崩壊を招く要因になるからです。
 子どもに指示を聞かせる、活動に取り組ませる事は担任の技量にも関わってくるのですが、新卒の先生等が学級を崩す時のきっかけは「指示が聞けない子」を指導しきれない事になります。
 子ども達に全体指導をする際に、指示に従えない子がいると、その他大勢の子ども達が担任の指導の仕方をよく観察しています。ここで、指示に従えない子が反発し、教室を飛び出す、悪態をつく等の行為で、指導しきれなかった経験を残すと、それを見ていたその他大勢の子ども達が「あぁ、この先生は叱ってもそんな怖くないんだ。」と学び、一部の子ども達はその児童に触発され、同様の行為を行う可能性があります。例を挙げると、教室内の立ち歩き、授業中の私語、担任をからかう、揶揄する等。そうなると学級経営自体が非常にやりづらくなってしまい、クラスの要配慮児童のサポートどころではなくなってしまいます。担任の先生もうつ病のリスクが高まりますし、学校としても担任が3月の学期末まで乗り切れるかどうかが焦点となり、配慮を必要とするお子様をどうするかは二の次、三の次となってしまいます。それだけ今、小学校の教員の数が足りておらず、一人病休に入ってしまうとすぐに補充が見つからないため、同じ学年間でそのクラスを指導し、その負担増に伴いまた病休が・・・と文字通り死活問題に関わるからです。

そのため担任からすると「集団生活の中で指示に従えない」というのが、諸所の問題を引き起こすきっかけとなり、困るものになります。本来であれば、そういった指示に従えないお子様をいかに工夫して伝えたり、上手に納得させられるかが指導の技術なのですが、経験の浅い先生にそこまでの技量と心に余裕を持てるかというと、非常に難しい問題だと思います。

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